2019.12.1

このカテゴリーは、過去にHo'ailonaで連載していたものを再掲しています。なぜだかわからないけれど、昔から、友人・知人とお酒を飲みにいくと、みんなに「ママ」と呼ばれる機会が多く、「クラブ整体」が生まれました。特別な健康法を提案するのではなく、自分を楽しく機嫌よく生きる、ちょっとしたヒントになればと綴っています。(注:ママキャラは、連載時のみですのでご安心を。)

♯20 シンクロ

よく、離れていても双子はお互いのことがわかるというけれど、 仲のいい友だち、パートナー、親子で、不調がシンクロすることはあるのでしょうか?あるとするなら、お互い健康でいるために、そのシンクロを生活に役立てることができるのかしら?

シンクロすることねぇ。あるっちゃある。でも、それを生活に活かすことができるかって聞かれると……「あてにしない方がいい」ってのが今のところのママの答えよ♡

これはママの推測だけれども、生存戦略的にも家族が同じ時期に同じような不調に陥るっての は、野生の動物だと一族の危機につながるわよね。だから本能的にそうならない可能性の高い相 手と繁殖しやすいのではないかしら?
「お父さんが臭い」ってのも近い遺伝子を遠ざける理屈らしいわよ。 もちろん子供の体質が親の影響を受けないわけはないけれど、自分とは遠い遺伝子を組み込むような働きがあると思うわ。

とはいえ、双子の場合、一卵性だったら全く同じDNAを持つわけだし、それが一つ屋根の下で暮らしていたら、通じ合わない方が不思議だとも言えるとは思う。親子や兄弟姉妹も似た体質の場 合は、リズムも似てる場合もあるでしょう。 友人だって、気が合うから友人でいるわけで、仲のいい友人が落ち込んでいて気分が良いなんてのは、ちょっとケアが必要な状態よね。

敏感な人達は、そういった他の人の感情や体調なんかを感じやすく、身近な人に同調したり、初 対面の人や場所の空気にすら影響を受けて、自分のことのように感じる場合もあるわね。けれど、いくら自分のことのように感じていても、それは人の事よ。だから、むしろシンクロを 大事にするよりは、まずは自分と他の人との境をしっかり捉えることが大切だと思うわ。だって、「自分のもの」「相手のもの」っていうそもそもの判断が間違ってたら、そこからの選択 もトンチンカンになるじゃない。敏感で相手や空気を察し過ぎて動くあまりに過敏に転じて、自分がどう感じてたかがあやふやになる。そんな「過剰適応」なんて呼ばれている状況も、なかな か苦しいしね。

まずは、わかることから始めるましょう。明確に相手の不調だと判ったものは、相手に任すの。 その解決を邪魔しないようにそっとしとくのが大事。 ああしたらいいのに、こうしたらいいのになんて、周りでヤキモキしない。ヤキモキってのは、あなたの感情。

「早く良くなって欲しい」っていう思いからくるものだとしても、それは「期待」につながるわ。その期待が叶わないことがストレスにつながって、元からの疲れと相まって体調崩しちゃったりして「え?これシンクロ?」なんて言っててもなんの解決にもならないでしょ? まずは自分を十全にね。

こうすれば楽かな、ああすれば楽かな? ってのも相手と意思疎通が出来るなら、キチンと相手に確かめた方がいいわ。 相手のためを思ったことでも、直感だか衝動だかわからない勢いでやることは、余計なおせっか いになったり、却ってプレッシャーかけたり、“悪気はない分タチの悪い迷惑” になる事すらある。ママも気をつけてるけど、うっかりやっちゃって後からゲンナリすることあるわぁ……。 つい無意識にやってしまう事だからこの機会に見直すのもいいかもね。

もちろん、相手が保護の必要な子供や、重症人の方なら、寄り添って相手の欲求を汲む事が中心 になる。でもそれが大変だからこそ、世の中のママさんたち、患者家族が苦心してるのよね。シンクロしてくれた方がどれほど楽かと思う時も多いことでしょう。経験を重ねる事で磨かれた直感 が役に立つ時はあったとしても、それ以上に途方にくれる日もうんざりするほどあるでしょう。

だからこそ、都合のいいシンクロをあてにせず、心静かに、分けられるときはしっかり分ける。そうした冷静さを重ねて、まずは自分を大切にすることを重ねて、おせっかいを慎むことを重ねて。 その先に感じたことが、間違いのないシンクロで、相手のお役に立てたのならラッキー! くらいに捉えるくらいがいいと思うわ♡