2021.12.20

鼻呼吸しましょう。

マスク生活、もう二年近くになりますね。

ここのところ、恬愉にいらっしゃる方の中に、鼻の異常を示す反応が見受けられる方が増えました。

続くマスク生活の中で、少しずつ口呼吸が常態化し、鼻の力が弱っているのかも知れません。

私自身も、職場と家の往復以外、特段外出もせずに引きこもっており、久々に散歩に出た際に、すっかり呼吸が浅くなっているのを実感しました。

鼻には、その奥の粘膜にある「線毛」というひだが備わっており、そこを通して呼吸をすることで、ホコリや微細な病原体をフィルタリングした上で、空気は温められ、加湿されて気道に届く事になります。加湿機能つき空気清浄エアコンを体内標準装備!なんと素晴らしいことでしょう!

それが口呼吸になると、鼻のフィルターを通ることなく、気道に空気が直接入るため、病原体に感染するリスクが高まります。口呼吸が常態化すると、口腔内が乾燥して唾液が少なくなり、歯周病菌などの細菌の繁殖にも繋がり、様々な不調の種ともなります。マスクをしている間は難しいとしても、外せる環境での意識的な鼻呼吸をしてみてください。

また、感染症予防の観点からだけでなく、自律神経を整えるためにも、呼吸を意識することは役に立ちます。私たちの身体の呼吸や、心拍、消化分泌などの生命活動は自律神経系の働きで、特段に意識する事なく適宜調整されています。その自律神経のバランスが崩れてしまうと、これと言った病気でも無いのに疲れやすくなったり、眠りの質が落ちたり、さまざまな不調の原因となります。

呼吸は、自律神経機能のうちで唯一、自分自身でコントロールできるものです。使わない手はありません。

お風呂の中や、人の少ない外出先、寝る前のひととき。そういった時間を活用して、少しでもゆったりと深い鼻呼吸を行ってみてください。前回のあくび誘発ストレッチと合わせてやっていただいてもいいと思います。

では、ひたすら健康コラムのようになってしまいましたが、本年の更新はこれが最後になるかと思います。来年もよろしくお願いいたします。

皆さま、良いお年をお迎えください。