2024.1.27

期待は破壊。

かなりな暖冬ではありますが、時折気まぐれに差し込む冷え込み。なかなかに振り回されますね。

空気は乾燥しています。しっかりお水飲んでくださいね。

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太平洋の夕暮れ

さて、2024年一回目の更新。と、言ってももう一月も終わりますが…。少し根深いテーマを取り上げてみます。

恬愉で「期待に応えなくていいんです。」「期待は手放しましょう。」なんて言われた方、少なくないと思います。

今回は、この「期待」というものが、健やかさに及ぼす影響と、それを手放す際の注意点について記してみたいと思います。

10年以上前、私はある人に「期待を手放しなさい。期待は破壊行為だ。」と、言われました。「破壊」という言葉の強烈さに驚きましたが、大切だとはわかります。そもそも、期待が良くない事だとは理解したうえで、期待をせず、かかる期待に振り回されてもいないつもりでもいました。

でも、あえて言われた。

で、まずは観察してみる事にしました。
他人が自分にかける期待、自分が他人にかける期待、そして自分が自分にかける期待。

最初の半年は、期待の凄まじさにげんなりするばかり。振り回されて無いどころか、日々の生活が、ほぼ期待で構成されていると言っても過言ではないのでは?と思うレベル。

ある時、家族が、なかなかに複雑な局面で悩んでいた時、カウンセリングを勧めた事があります。
私自身が身内だし、なんとなくの事情を知っているだけに、心底はさらけ出しにくいだろうし、全くの第三者を前にした方が、少し冷静に事態を観察出来るだろうと思ったからです。

返って来たのは「めんどくさい」の一言。

うぉい!どうにもこうにもヤキモキします。
「大丈夫かなぁ?」
「早く解決しないかなぁ」
「うずくまってても、事態は動かないのになぁ」
そんな私に、降って湧いたのが、
「そうか、それみて、ヤキモキしてるのは、私自身なんだから、私がカウンセリング受けてみよう」
という考え。

すぐにカウンセリングルームを調べ、予約を取り向かいました。

予約を取りながら、家族の幸せを勝手に「期待」していた自分に気付き、その「期待」を手放す肚づもりをすでに固めてはいました。
カウンセリングの90分で見つけたのは、案の定、黙って見守る事しか出来ないとわかりつつ、当事者達の行き交う感情や事態に混乱し、期待を手放せずにいた、私自身でした。
混乱するのは簡単です。

結局は、当事者に任せるしかない事。
肚を括って「静かに」「見守って」「待つ」事が、私に出来る、最小で最大の事です。
時間がかかるよ。余計疲れるよ。
間に合わないんじゃない?
そんな思いを込めて、私にみられていた家族は、さぞやプレッシャーだった事でしょう。
相手を純粋に思う気持ちであっても、相手を尊重出来ていなければ、それは「期待」です。

私が肚を括った後、ほどなく事態は動き始めました。
家族もちゃんと動いています。
万事解決とはいかないものの、確実に動いている。
かくも、期待とは恐ろしいエネルギー。

「期待は破壊」は、観察すればするほど、真実だと納得するに至りました。
その恐ろしさに気づいてから、今に至るまで、「期待」の根深さ、幅広さに、ある種感服しながら、気づいたら、観察そして、手放すを繰り返しています。

手放した気で、いい気になっていても、行き詰まった時に突きつけられる、無自覚な期待。その度に陥る自分への失望。
ここ、気をつけるポイントです。
「期待していた自分を責めて、クヨクヨする時間はもったいない。」ということです。

自分のした期待に、ウダウダと後悔するより「あ。期待してたわ。」って終わらせる方が、少し落ち着いて自分を取り巻く期待を眺める事が出来るように思います。

基本的に、人は「好きなように生きた」としても「思うようにはならない」ものです。
仕方ないものは仕方ない。変えられることは、然るべき時に、変えられるけれど、変えられないものは受け入れ無ければならない。

頭ではわかっていたそれらの事が、ほんの少しずつ実感として積み重なっていくと、
投げやりな諦めと、手放す事の違い。
無責任な期待と、自分で責任を持つ希望の違い。が、腑に落ちるようになりました。

それを積み重ね一年半ぐらい経った頃、「あー。私、身体けっこう辛かったんだ。」と気づけました。

あれから十数歳、歳は重ねています。
朝まで飲み明かす体力もなくなったし、カルビは重くなったし、手帳無しで直近の予約状況すら思い出すのも無理。
けれど、若い頃に時折襲われていた泥のような身体の重さ、気がつくと浅くなっていた呼吸、なんかヤバそうな予感がする腰痛は、とんとお目にかかってません。

私自身の事を中心に書いて来ましたが、少しずつ、期待の観察と、手放す事に取り組まれて来た患者さん達にも、「あー。もう元のしんどさに戻る事は無さそう」という変容を感じる事は少なくありません。
で、その際には、大なり小なりの身体の症状が軽快したり、快癒していたりするのです。

このブログに多少なりとも興味を持ってくださった皆さま。これも何かの縁と思って、ちょっと「期待」の観察からはじめてみませんか?

もう少し詳しく聞きたい。どんな人が言ってるのか見てみたい。そんな方は、3月出張整体、募集始まりました。
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